飲食店は人の健康に関わる飲食物を取り扱うため、開業にあたって求められる資格や手続きがあります。一つではなくいろいろなタイプのものがありますので、独立を考えているのであれば、事前にこうした開業手順を把握しておいて、スムーズにオープンできるようにしておきましょう。
飲食物を提供するお店で求められる資格には、食品衛生責任者というものと、防火管理者という二つが原則的に必要になります。どちらもお店のスタッフの誰かが持っていれば構わないのですが、店に常駐する人が持っていないといけませんので、オーナーが取得した方が無難でしょう。資格と言っても難しい試験があるわけではなく、既定の講習を受けていれば問題なく取ることができます。どちらも一日程度の講習で取得が可能ですので時間はそれほどかかりませんが、これらがないと開店準備が進められませんので、できるだけ早く取得してしまった方が良いですね。
そして、これらを持っていることを前提に具体的にお店のオープンを始めることができますが、店舗の内装図面ができたら、その設計図を持って保健所に行く必要があります。工事を始める前に持っていかなければなりませんので、その順番を守るようにしましょう。そこでは、食品営業許可をもらうことになります。厨房とホールの仕切りや、厨房設備の状態などについての図面上でのチェックが入り、問題がなければ許可が下ります。そして、図面通りに施工が完了したら、保健所の職員が実際にその場をチェックします。図面通りに店舗ができているかどうか、安全面での基準を満たしているかなどを確認していきます。店の見た目などの関係で施工中に何らかの変更を加えているようであれば、その都度関係する人に確認を取るようにしましょう。完成してから基準を満たしていないということが判明すると、オープンが大幅に遅れる原因となってしまいますよ。
こうして店舗の準備が出来上がってくる中でも、いろいろな手続きを同時に進めていくことになります。たとえば、深夜にアルコールを出すことにしているのであれば、深夜における酒類提供飲食営業開始届出書というものを提出しなければなりません。営業を始める10日前には届け出を済ませていなければなりませんので、十分な余裕を持って書類を用意しましょう。
さらに、事業面での手続きも大事ですね。個人事業者として事業をするのであれば、個人事業の開廃業等届書を税務署に提出します。法人であれば労災などの手続きをしなければなりません。