退職を何度も繰り返している人もいます。20代の時点でもう数回職を変えているというケースも珍しくなく、ひとつの職場に2~3年しかとどまらずコロコロと職を変えてしまっているのです。いちどこうしたパターンにはまってしまうとなかなか抜け出せず、気がついたらこれといったキャリアもスキルも身につかないうちにいい年齢になってしまうこともあります。わたしは30代に入って転職しました。前の職場はハッキリいってブラックでしたが、それでも転職時にはそのキャリアや身に着けたスキルが役に立ったものです。
転職を繰り返してしまう人が陥りやすい悪循環・罠とも言うべきパターンがあります。簡単に言えば採用されやすい職場を安易に選んだらそこがブラック企業ですぐに辞めてしまうというものです。職を変えれば変えるほど、年齢を重ねれば重ねるほど職探しのハードルが低くなり、採用されやすいかどうかで選んでしまうことが多くなるためブラックと遭遇してしまう率が高くなります。これが一度はまってしまうとなかなか抜け出せなくなってしまう、コロコロと職を変えてしまう状況の理由です。
ではどうすればこんな悪循環にはまらずに済むのでしょうか?ポイントは職種と業種をよく選ぶことだと思います。長時間労働や薄給、将来性のなさといった問題点を抱えた企業は特定の職種・業種に多い傾向があるため、その分野にばかり目を向けて職探しをしているとすぐに辞めざるをえないような職場に行き当たってしまう確立が高くなるのです。
ではどんな業種が多いのでしょうか?まず歩合制を導入しているところが多いところが挙げられます。具体的には建築業界や保険業界です。歩合制のうえにノルマが課せられることが多く、なんとかこなすために長時間労働を強いられてしまうことも少なくないのです。
それからIT関連。誰もが知るような大手の企業でも平均の勤続年数が3~4年程度と極端に短いことからも定着しにくい職場であることが窺えます。じつはわたしも前はこのジャンルで働いていました。とにかく残業が多い、納期が迫ると休日出勤は当たり前、会社に泊まりこんで1週間家に帰らないなんてこともあります。
給料がなかなかあがらないという点でアパレル業界もリストアップされます。華やかなイメージがありますが、実情は厳しく、少ない人で忙しい仕事を強いられることが多いといいます。
そして飲食店系。ニュースにも無茶な就業環境が話題になったりします。人手不足による長時間・超過労働がこの分野の最大の問題点でしょう。これらの分野は絶対にダメとはいいませんが、求人広告をよくチェックするなど、職探しの際には十分に注意しましょう。