ブラック企業の典型的なケースは常態化した長時間労働です。明らかに労働基準法に違反した環境で従業員に過酷な業務を強いているところは珍しくありません。むしろ残業なし、毎日定時で変えれる仕事のほうが珍しいでしょうし、サービス残業(タダ残業)がまったくない会社も少ないでしょう。
わたしも長時間の勤務に悩まされたクチでした。残業時間も月80時間は当たり前、100時間を超えることも珍しくなく家には寝るためだけに帰るようなもの、納期が迫っているときなどは1週間近く会社で寝泊り、なんてこともありました。子供が居ますので、このままでは子供の成長に大事な時期に何もできないで終わってしまうと危機感を覚えて退職に踏み切ったのですが、もし決断がつかずに今でも働き続けていたら…と思うとゾッとします。
転職の際にはこうした長時間の勤務を当たり前のように要求してくる会社は絶対に避けないといけないわけですが、見分け方が難しいのも事実です。求人情報に「サービス残業が多く、休日出勤の機会もあり」などと記載する企業はないですから、よさそうだと思って就職してみたらいきなり残業続きの日々、なんてことも考えられるのです。
その見分け方としてはまず業種・職種で判断する方法があります。ジャンルによって残業・サービス残業が多いところとそうでないところがあるのです。多いのはメディア系、IT系が挙げられます。広告業や新聞業、ポータルサイトを運営する会社など華やかなイメージを持っている会社に多く見られます。納期が設定されている上にスピードが重視されるジャンルなので残業が多くなりやすくなるのは理解できるのですが、サービス残業が多いのはちょっといただけないですね。IT業界などは平均の勤続年数が3~4年なんてところも珍しくありません。
あとは製造業。これも納期の影響で長時間労働とサービス残業が多くなりがちです。休日数は多めなところも多いので見極めが大事です。忙しいときは非常に忙しく、ひと段落ついたらまとめて休みが取れる、というケースが多いからです。なお、残業が多い職種の代表格とされる飲食系や娯楽系のサービス業はサービス残業は少ない傾向が見られます。
サービス残業は文字通り「会社に対するサービス」。従業員にひどい扱いをする会社に奉仕していることになるわけですから、納得いかない話です。職探しの段階で平気でこうしたことを要求してくる会社はふるいわけてきちんとした企業だけをピックアップしていきましょう。