「もうこの職場にはいられない」「仕事を変えるしかない」と思いつめてしまうことも多いものです。それは残業続きの日々で疲労がたまってしまったとき、厳しいノルマでストレスが蓄積してしまったとき、人間関係の問題にうんざりさせられたときだったり。そんなときには転職という選択肢を検討するのも決して悪いことではありません。
ただ、本当に退職して職を変えるしか選択肢がないのか、よく考えたうえで最終的な判断を下すことも重要でしょう。「もう辞めてやる」と感情的になって退職したもののなかなか次の職場が見つからない、苦労して仕事先を見つけたものの待遇面でも給料面でも前の職場よりも劣っていて「これなら辞めなければよかった…」と後悔してしまうというパターンもあります。辞めてはじめてその会社のよさに気づくといった話もよく聞きます。
わたしの場合、明らかにブラックな会社に勤めていたのですが、それでも辞めるまでにはいろいろと悩みました。「本当に辞めるしか選択肢がないのか」「職を変えて環境がよくなる保証はあるのか」などなど、いろいろと悩んで、検討した結果辞めることにしたんです。そのため辞める前にやれるだけのことをやり、できるだけよい職探しができるよう準備を整えておきました。
よほどブラックで心身ともに追い詰められてしまっている場合はともかく、そうでない場合ではたとえ辞めたいと強く思った場合でも働き続けるという選択肢も確保したうえで、今後の身の振り方を考えましょう。衝動的に辞めてしまうとこれまで培ってきた経験が無駄になってしま恐れもあります。経験年数が多ければ多いほどそのデメリットが多くなりますから要注意です。年齢が高くなれば転職のハードルが高くなりますし、安易に妥協して次の仕事先を決めてしまうと、過去の経験年数が無駄になる可能性が高くなってしまいます。
ダメ元で給料交渉をしてみる
勤続年数が増えてくると、多かれ少なかれ不満が出てくると思います。ましてや転職や退職を考えてしまっているわけで、それが単純に給料面のことであるならば思い切って給料交渉をしてみるのもいいと思います。
実際に私は、以前の勤め先で3年間の間ほぼ昇給がなく、残業もほとんどなく、このまま続けていくのは無理だ!と思いました。当時結婚を考えている相手もいましたが、貯金が貯まらないどころか月々の生活だけでも苦しい日々を送っていた為、会社に内緒でアルバイトをしたりもしていました。それでも先が見えず、辞めることを考えました。
ほとんどの人が不満を抱えてたまま自主退社してしまう
ですが、私はそのまま逃げるようにやめてしまうのがどうしても悔しく思い、日頃の雑談から聞き出した先輩方の給料などをおおよそ把握した上で自分の作業への対価がどれだけ低いのかを他の部署の仕事や具体的な実績や技術習得状況をまとめた上で報告書として用意した上で、上司に掛け合い直接社長に話を通してもらうようにお願いしました。実際は、管理部部長との面談となりましたが、そこで自分の会社への思いを込めて給料の改善を訴えました。
その後、社長にも話が通りよく月からバイトをしなくて良いほどに給料が上がりました。さらには新規事業のスタートメンバーにも選んでいただき、残業代を合わせると今までの給料の3倍にも給料が増えることになりました。
本当に、言ってよかったと思いました。正直今まで不満を言うだけ言って行動せずに辞めていった人たちをたくさん見てきました。ちょっとだけ勇気を出して主張をしてみることの大事さを知りました。
どうせ言っても変わらない?言ったら変わることって意外と多い
最初から諦めている人が多いと思います。以前知り合った、帰国子女の方の話では、日本人は遠慮することを美学だと思っているが、「馬鹿なんじゃないか」と思うとちょっと口が悪い方でしたが、ストレートに突き刺さりました。
お金に対しても、異性に対しても、照れてはいけない!ここが日本人はすごく弱いように感じるそうです。私も、心当たりがありすぎるくらいあったので妙に納得しました。言ったからといって失うものは大したものではありませんが、言わずに過ごす時間はものすごく大きなロスとなるでしょう。収入に納得がいかないなら給料交渉を行ってみましょう。ダメでもともと、これで相手にしてくれないようなら残る価値なし、と判断すればよいわけです。また仕事はそれほどきつくないけれども、給料面に不満があるという場合には副業に手を出すのもひとつの選択肢です。時間を有効利用することで不満を解消することができます。
ちなみに、給料交渉を行う場合には、その交渉に見合った実績や経験年数はもちろん、事前の相場観の下調べや根回しも必要だと認識しています。私は数年して同じような後輩にその時の話をしてあげたのですが、後輩は、ざっくり聞いた私のを勘違いしてしまったようで、いきなり管理部に行って唐突に「給料上げてください」と言ってしまい逆に逆鱗に触れて「辞めたかったら辞めてしまえ」的な流れになってしまいました。
いろいろと考えた結果、やはり辞めようと決断した場合には適切なタイミングも見計らいましょう。ボーナスを受け取った後は大原則、そのうえで転職市場が活性化する時期に合わせて辞めるとよいでしょう。活性化する時期は業種によって違ってくるので事前の情報収集も必須ですね。