紹介と名刺交換のしかたのポイントとコツ
常に相手を上位者とみなすのがルール
人を紹介するときは、目下の人から先にするのが原則ですが、ビジネスの場では、必ずしもそうではありません。自社の人と他社の人では、自社の人の紹介が先になります。これは、常に相手を上位者とみなすというルールによるもので、相手より役職が高い場合も順序に変わりありません。
紹介するときは、会社名や名前だけでも不都合はないのですが、「こちらは、いつもお世話になっている…」「こちらが、いつも当社の売り上げに協力してくださっている…」などひと言添えると、場がなごんで話しやすくなります。
ビジネスの場での紹介順序
■自社の人と他社の人の場合
自社の人間を先に紹介。
「ご紹介します。私どもの部長の○○です」のように紹介したら、次に他社の人を「こちらは、いつもお世話になっている○○社の○○様です」
■自社・他社の人が複数いる場合
自社側の人間を上司から順に紹介。次に他社側を同じように上司から順に
■両者間に地位・年齢差がない場合
自分と親しい人のほうから紹介。親しさも同程度なら、どちらを先に紹介しても失礼にはならない
名刺の受け渡しは両手使用が原則
名刺は、その人の顔です。自分の名刺を人に渡すときは、汚れていたり、角が折れていないか確かめてから、必ず立ち上がって両手で差し出します。
受け取るときも、両手が原則です。自分のほうが相手より上の立場でも、もらった名刺を粗略に扱うのはいけません。話をしながら手で名刺をもてあそんだり、その名刺をテーブルに置いたまま退席するなども、避けたいことです。
名刺の受け渡しのマナー
■渡すとき
- 目下の人から先に差し出す。他社を訪問した場合は、訪問した人が先に
- 差し出すとき、同時に「○○です」と名乗り、「よろしくお願いします」とあいさつする
- 相手が複数のときは、一人ひとりに手渡す
■受け取るとき
- 左手に右手を添えるようにして両手で受け取る
- 相手の名前は「○○様ですね」とすぐ確認し、読み方がわからないときは、「失礼ですが何とお読みするのでしょうか」とその場でたずねる
■双方同時に出しとき
- 片手で差し出し、片方の手で受け取るのはやむを得ないが、名刺を受け取ったら必ず別の手で添えて両手で持つ
- 名刺の扱い方とタブー
- 名刺をよく見もしないで、しまい込むのは相手に失礼。名前が覚えられないときは机の上、覚えられたら会釈して名刺入れにしまう
- 相手が複数のとき、並んでいる順に名刺を並べておくと、名前がわからなくならない
- 名刺を受け取るとき、相手の名前の上に自分の指をのせたり、名刺を持った手を胸より下にしない
接客する際のポイントを押さえておく
来客は待たせず失礼のない応対を
来客は、できるだけ待たせないのが第一のマナーです。とくにアポイントメントのある来客は、忙しい最中でもさっと切り上げて応対します。
接客中にアポなしの来客があった場合、待ってもらうことになりますが、待たせるわけにいかない重要な相手には、代理を立てて応対します。代理人になるのは、担当者と同等、もしくはそれ以上の人がふつうです。
やむを得ず来客を待たせるときは、部屋に案内し、お茶を出すときなどに「申しわけございません。本日は打ち合わせが入っておりまして、もうしばらくお待ちいただけますか」などと声をかけます。
接客にもいろいろなケースがありますが、相手の意向を尊重しながら、失礼のない応対を心がけることが大切です。
お茶は上位の人から順に出す
応接室に来客を通したら、できれば5分以内にお茶を出します。このお茶は、来客に対して「お越しいただいてありがとうございます。どうぞ一服なさってください」という感謝の気持ちを込めて出しましょう。出しさえすればいいという態度ではいけません。
お茶を出すときは、ドアをノックしてから「失礼します」と声をかけて入室し、ドアを閉めたところで来客に一礼します。サイドテーブルがあれば、そこにお盆を置いて一人ずつ両手でお茶を出しますが、なければ左手にお盆をのせたまま、右手で出します。
出す順番は、来客の上位の人からです。わからない場合は順次で判断して、上座のほうから順に出していきます。
見送りはケースバイケースで
面談が終わって来客が退出するときは、書類やコートなど、忘れ物がないか確認します。
見送りは、「来客は玄関まで送る」というのがマナーではありますが、ビジネスにおいては時間を効率的に使うという理由から、ケースバイケースでかまいません。
見送りで最も一般的なのは、エレベータ前まで送るものです。ただし、応接室が1階にあるときは、玄関まで送ったほうがよいでしょう。
玄関まで見送るときの注意として、来客に大きな手荷物があれば、代わりにそれを持ちます。また、相手が玄関を出ても、見えなくなるまで見送るのがマナーです。