トラブル解決は一人で悩まずに相談する
避けて通りたいのがトラブルですが、仕事上で、人間関係で、それはさまざまな形おこります。どう対応し、どう処理するか、現実を直視してよく考えましょう。
投げやりになったり、感情的になってはいけません。
ただ、仕事上のトラブルは、上司に報告し指示を仰がねばなりませんし、仕事以外のことでも、だれか信頼のおける人か公的機関などに相談しなければ解決できないこともあります。対処法が見つからないときは、まず先輩に相談するなど考えましょう。一人で悩むのがいちばんよくありません。
用事があるのに残業を頼まれた時
今夜は予定があるというときに残業を頼まれたら、まず「この仕事はいつまでに仕上げればよろしいでしょうか」とたずねて仕事の期限を確かめる。
仕事は大至急で、自分の用事は変更できるというのであれば、残業は引き受けたほうがよい。どうしても避けられない用事の場合は、正直に理由を話して残業をだれかに代わってもらう。
仕事の期限に余裕があるときは、「申しわけありませんがこれから予定がありますので、この仕事は明日のお昼までに必ず仕上げるということでもよろしいでしょうか」と自分の状況を説明しながら相談してみる。
自分の仕事でミスをしてしまった時
仕事でミスをしたら、直ちに上司に報告する。黙っているなどして対応が遅れると、思わぬところにミスの影響が及ぶこともあるので注意。報告は、どんなミスをしたか、どんな経緯でそうなったか、現在の状況などについて、簡潔に。内容があいまいだと上司も善後策を立てにくいので、正確に伝えること。
上司に対しては、自分のミスで迷惑をかけたことを誠意をもっておわびし、叱責は素直に受ける。言いたいことがあるときは上司の話のあとに言うが、言いわけや責任転換は禁物。話が終わったら、「以後二度とこのようなミスはいたしません。本当に申しわけありませんでした」と再度おわびの言葉を。
異性の社員との仲がうわさになってしまった時
相手が同性でも異性でも、特定の人だけでなく、だれとでもまんべんなく言葉を交わし、だれに対しても同じ態度に接するのが、職場で人間関係を良好に保つコツ。
身に覚えがないのに異性社員との仲が、うわさになったという場合は、自分の接し方に偏りがなかったか、行動を振り返ってみるとよい。そして、うわさに対しては、あからさまに迷惑がって否定すると、うわさの相手を傷つけかねないので、できるだけ平然としていること。根も葉もないうわさなら、自然と消える。
うわさどおり実際に交際しているという場合は、へたに隠すより認めてしまったほうが賢明。無責任な憶測を避けることができるし、うわさも大きくなることはない。
有給休暇申請を出したが取らせてもらえない時
有給休暇を取得できる条件は、1年以上勤務していること、出勤率が8割以上であることの2点。この条件を満たせば、法律で決められている休暇なので、だれでも好きなときに取ることができる。ただし、仕事に影響が出ないように休むのは当然の心づかい。
会社は、業務上大きな支障がある場合に限り、有給休暇の取得時季を変更させることができる(時季変更権)ので、有給休暇を申し出ても受け付けてもらえず、変更を求められることもある。その場合は、会社にどんな支障が出るのか具体的な説明を受け、納得がいけば変更に応じればよい。
とくに支障もないのに認められなかったり、会社の習慣として有給休暇が取れない状況のときは、最寄りの労政事務所、労働基準監督署などに相談を。
セクハラを受けた時
セクハラ(セクシャル・ハラスメント)といわれるものには、容姿や年齢をおもしろ半分に話題にする、目の前で卑猥な冗談を言う、体にさわる、性的な関係を迫るなどがあり、働く女性の人権を侵害する行為。
セクハラを受けて仕事がやりにくい場合は、その場ではっきり不快であることを相手に伝え、毅然とした態度をとる。それでもやめない場合は、会社の組合などに相談するか、強硬手段として、民法や刑法の規定を使って抵抗する。刑事上では、強制わいせつや名誉毀損、侮辱などの罪で告訴可能。
まずは、労働基準監督署の婦人少年室に相談してみるとよい。