うつ病をはじめとした心の病が社会全体で大きな問題になっていますよね。わたしは幸いこうした病気にまで悪化することはありませんでしたが、前の職場ではかなり厳しい就業環境で精神的に追い詰められたことがありました。また、その職場で一緒に働いていた同僚の中には実際に休職に追い込まれてしまった人もいたりして、他人事ではない怖さも感じていたものです。
この問題に関してはうつ病になりやすい人の傾向もあるようで、日本のビジネスマンはなりやすい人が多いとも言われています。ワーカーホリック、つまり働きすぎの頑張り屋さんであればあるほどうつ病を発症するリスクを抱えやすいからです。
どうして頑張り屋さんがうつ病になりやすいのか、それは自分に対して厳しい点が理由だとされています。とにかく与えられた仕事を完璧にこなすように頑張る、仕事熱心で一生懸命やる分にはとてもよい性質なのですが、それが一方では自分を追い詰めてしまう部分もあるのです。たとえばブラック企業の中には明らかに無理のあるノルマを課してくるところも少なくありません。長時間の残業を前提に仕事を押し付けてくるケースも。そんな環境でも頑張ってこなそうと努力してしまう、しかもうまくいかない場合には「自分の努力が足りないからだ」と思い込んでますます自分を厳しく追い込んでしまうのです。
さらに元が真面目ですから、遊ぶ、気分転換をするといったことがうまくできません。「そんなことをしているくらいなら仕事をしよう」「サボっている場合じゃない」というわけです。
そんなこんなで休む間もなく、精神的にも息を抜く間もなく必死に仕事を続けた結果心身のバランスを崩してしまう…しかもそれで仕事の結果を出せればよいのですが、うまくいかない場合には自己嫌悪や自責の念に駆られてますます精神的に追い詰められてしまうのです。
頑張り屋さんは真面目なだけでなく責任感が人一倍強く、自分の分の仕事を頑張るだけでなく同僚の分まで頑張ってカバーしようとする心理状態も見られます。こうして見てもワーカーホリックであればあるほどうつ病になりやすいのがわかります。
常に仕事に追われているような気がする、不安で夜も眠れない、日中頑張らなければならないのに異常な眠気に襲われる。そんな症状を抱えている方は要注意。少し息抜きをする必要があるシグナルと判断しましょう。頑張るのは素晴らしいことですが、行き過ぎると自分を追い詰めるだけだということを覚えてきたいところです。