ブラック企業の特徴をひと言で表現すれば「従業員を使い捨てする」でしょう。長時間勤務も過酷なノルマも、不当に低い賃金もすべてこの表現でまとめることができるはずです。ですから従業員のことを考えないような会社に就職してしまった場合にはできるだけ早く退職してほかの仕事を探すべきです。こうした会社でいくら働いてもまともなキャリアやスキルは身につけることはできないでしょう。何しろ使い捨ててもかなわないようなムチャに仕事を押し付けてくるのですから。「もうちょっと実務経験を積んでから辞めたほうが転職に有利になる」などと考えずに、さっさと辞めないとうつ病などの心の病気、さらには胃潰瘍やストレスによる激太りといった問題を抱えてしまいかねません。
努力家、頑張り屋さんは気をつけて!
そもそも「もうちょっと我慢して経験を積んでからにしよう」と考える段階でブラック企業の罠にハマってしまっています。じつはこうした企業の罠にはまってしまうのはまじめな人、頑張り屋さんが多いのです。わたしも以前ひどい会社で勤務していた経験があります。わたしは決して頑張り屋さんとはいえませんが、それでも自分なりに一生懸命がんばって、結果ちょっと健康を害してしまったことがありました。もっとかわいそうだったのがとても生真面目で几帳面だった同僚で、最終的にはうつ病になって休職、そのまま復職できずに退職してしまいました。そう、真面目で頑張り屋というのはとてもよいことなのですが、そのよい点をつけこまれてしまいがちなのです。
完璧じゃなくてもいいんですよ!
たとえば完璧を目指す几帳面な人。少しでもミスがあると自分のせいだと思い込んだり、残業をしてでも修正する。そんな人は企業にとっては格好の使い捨ての材料、「自分のミスなんだからなんとかしろ」とサービス残業を要求する、さらには「お前は半人前なんだからうちの会社でなければどこも採用しない」などと劣等感を植え付けてくることもあります。
また真面目な気質を持っている人ほど周囲の目や評価を気にしてしまうものです。退職してしまうと世間体が悪い、次の仕事を見つけるまでの無職期間にどんな評判が立てられるかわかったものではないなどと不安になってしまい、辞めるに辞められないのです。
あなた一人で解決しようとしないで!会社の問題です。
もうひとつ、頑張り屋さんは自分が辞めてしまうと同僚に迷惑がかかってしまうんじゃないか、自分がいないと業務がストップしてしまうのではないか、と思ってしまいがちです。ひどい会社の業務なんて知ったことではないはずなのですが、責任感が強いのでなかなか放り出す気になれないんですね。ブラック企業はこうした真面目な気質につけこんで辞めさせない環境へ追い込んでくるわけです。