転職活動は在職中からはじめておくのが鉄則といわれています。
できれば辞める前に次の職場を決めてスムーズに入職できる環境を確保しておきたいところですが、なかなかそううまくはいかないものですよね。
それこそブラック企業の過酷な環境やセクハラ、パワハラなどに耐えかねて退職する場合には「もうこんな会社辞めてやる!」と半ば衝動的に辞めてしまうことも多いので、次の仕事先を決めるどころか職探しもまったく行っていない状況もあります。
ただ衝動的に辞めてしまうと無職の状態に陥ったときに困ったことになります。
お金に困ると判断力が低下してしまうので注意
なんとなく、その場しのぎ的に考えていると思った以上にお金は減っていきます。忙しかった日々から解放され、お金使いも派手になる傾向も見られます。気がついたときにはすでに貯金は底をつき、焦って転職をした先はまたブッラク、もしくは派遣やアルバイトなどで凌ぐという選択をせざるを得なくなってしまった人も多いと思います。
なんといっても収入が断たれてしまいますから、生計を維持できる環境が最低限必要なのです。失業保険という手もありますが、すぐに受け取れるわけではありませんし、ブラック企業が相手の場合は自己都合で辞めたことにさせられるなどいろいろと揉めてしまうことも多くなります。貯金が少なくても計画さえしっかりとしていれば、慌てず冷静にチャンスを待つことができます。
それだけに転職先を決めずに退職する場合には、職探し以外に最低限やっておかなければならない準備や計画が必要となります。
失業確定時の貯金額から次の転職リミットを算出する
最大のポイントはやはりお金の問題です。
基本的には貯金を切り崩して次の仕事を見つけるまで食いつないでいくことになりますから、十分な余裕が必要です。たくさん蓄えがあればそれに越したことはないのですが、なかなかそうはいかないでしょうから、最低でも生活費の3ヵ月分くらいは確保しておきましょう。
これには理由がいくつかあります。先ほど挙げた自己都合による失業保険の給付が3ヶ月後から受け取れること、転職活動の期間が平均して3ヵ月くらい、つまりしっかり職探しをすればその期間内に次の仕事、収入の手段を確保できることが多いことなどです。
働いた期間が5年未満の場合は自己都合退社の場合、3ヶ月後には失業給付金をもらうことができます。(働いた期間=雇用保険に加入していた期間)
雇用保険の加入期間や退職理由などによって給付期間や給付開始時期が変わってくるので自分の状況を事前に調べておくことが必要です。
そこで注意したいのは出費が増える点です。これまで会社が給料から天引きする形で支払っていた年金、保険料を自分で支払うことになりますから、これまでよりも月々の出費が万単位で増えることになります。これを見越した上で貯蓄を確保し、次の転職までに何ヶ月のリミットがるのかを事前に把握しておく必要があるのです。
そして、一番大事なことですがこの失業給付金の金額は、前職の収入の平均によって異なるというところです。この失業給付金の金額は、前職を辞める直近の6ヶ月間の平均から算出されます。
ですのでやめると設定した月の6ヶ月前からは少しでも収入が多くなるような働きをすることで給付金の額を増やすことができます。本人の意思で残業を増やせるようであればこの6ヶ月は短期集中で頑張ることも後々大きく影響してきます。または、夜勤を希望したり、休日出勤に積極的に出ることも一時的に給料を上げることとしてできることになります。
あとは、繁忙期の後など必然的に残業が増えることを想定するなど年間で一番収入平均が高くなるタイミングを退職月に設定することで受け取る給付金に影響があることを認識しておきましょう。
転職までにできるだけ時間をかける方法
人それぞれ、状況や条件は異なると思いますが、慌てて就職しても今までとの劇的な変化はおそらくないでしょう。むしろ悪くなる方が多いのかもしれません。かといっていつまでもダラダラ無職生活を送っていると社会復帰が難しくなってしまう可能性もあります。
自由な時間を得られる分そのリスクも大きいことを認識した上で、もっとも有効な失業期間にするために様々な方法で生活を楽にする。そんな考え方も必要ではないでしょうか?
次の転職を急がず慌てずしっかりと方向性を決めるためには、お金を減らさず、時間を確保することです。上述した通り失業給付金は直近の収入の6ヶ月分の平均から算出されます。雇用保険の加入期間が5年未満だったとしたら、もらえるのは3ヶ月分です。
これをもう少し長くする方法として、職業訓練校に通うという方法も知っておくと便利です。
職業訓練校には様々なジャンルが用意されていますので、事前に調べておくことが大事です。自分に興味のある分野の勉強をしながら、給付金がもらえる期間も延長できるため有効に利用したいところです。中には2年間で保育士の免許が取れる(試験に合格すれば)コースなどもあり、2年間働かずに勉強をするだけでお金ももらえるというチャンスもあります。
しっかりと計画を立てることで失業期間を少しでも有効に利用することで長い人生の軌道修正ができるなら、辞める前にしっかりと計画を立てることがどれだけ重要かということがわかると思います。
念のためクレジットカードも作っておく
また退職によって社会的信用が失われてしまう面もあるのでクレジットカードを作っておく、これまでの仕事で培ってきた人脈を強化するため連絡をとったり挨拶をしっかりしておくことなども辞める前にやっておきたいポイントです。こうした点を怠っていると失業期間中に困ったことになり、生活費を確保するためにバイトをしたり、お金を借りることができなくて困るなど、職探しの妨げになってしまう恐れもありますから気をつけたいところです。
これに関しては、使わなければ使わない方がいいのでなくてもいいと思っています。
全てが計画通りに行くわけではない
わたしは場合は、今回の退職に関してはものすごく人生の計画を乱すものとなってしまったこともあり、次の行動にものすごく慎重になりました。
貯金額だけ見ると、生活費だけで考えてたとえゼロ収入だったとしても約1年はなんとかなるくらいの貯金はありました。と言っても貯蓄をすべて使い果たす気は当然ありませんので、半年は職業訓練に通い、失業給付金をもらいそのあとは、前職経験を生かした形で副業レベルの仕事を知り合いづてで確保しました。
そういったある程度の目測をしたうえで仕事をやめましたが、やはり毎月減っていく貯金に不安とあせりを感じたものです。