在職中に転職活動をうまく行って次の職場が決まった後に退職できるようなシチュエーションが理想ですが、なかなかそれは難しくほとんどのケースでは退職した後しばらく失業状態になってしまうものです。わたしも辞めてから次の職場を見つけて無事転職するまでに4ヵ月ほどの無職期間がありました。
この仕事がない状況というのは非常に厄介です。次の仕事先が決まっていない段階で辞めるのはちょっと不安があったのですが、その当時は「これまでブラックとしか思えない職場でがんばってきたんだから少し休んで羽を伸ばそうか」くらいの気楽な気分でした。しかしいざ仕事がない状況になると自分がどれだけ不安定な存在か、デメリットが多いかを痛感させられることになったのです。
大人が社会で生活していくうえでは信用がとても大きくものを言います。一番身近なのはクレジットカードの使用と継続でしょう。きちんと返済ができる収入・経済状況があれば問題なく使用できると会社で働いていたころには思っていたのですが、じつは収入・経済状況と信用はまったく別なのだということを仕事を辞めた後に思い知らされました。いくら収入があってもフリーランスの仕事はなかなかカードを作れず、お金を借りることができません。まして無職状態となればなおのことです。失業中にカードを作ろうと思って申し込んでみたのですが、審査が甘いと評判のところでも落ちてしまいました。
結局のところ信用というのはその人がどんな人かとか、どれだけ収入を得ているかの問題ではなくて、どの組織に属しているか、その組織がその人を保証しているかが大事なんですね。会社に属していればその会社が保証してくれるわけです。フリーランスなら急な仕事を失うリスクが付きまといますが、正社員ならよほどのことがない限りそうしたことは起こりません。ですからお金を貸す方も安心できるわけです。夜逃げなどのリスクも同じでしょうね。
それから世間体の問題。ここ日本では「無職=まともじゃない人、何をやっているわからない人」といったイメージがつきまといます。終身雇用が崩壊した影響でひと昔前に比べればまだマシでしょうが…失業中にせっかく時間の余裕があるので平日の昼間に近所を散歩したり、午後に子供と外で遊んだりしたのですが、どうも近所で「あの人仕事はどうしたのかしら…」と噂になってしまったらしくて、「ちゃんと会社で働いている」というのが近所づきあいや地元での評判にもかかわってくるんですね。
幸いわたしの場合は4ヵ月で済みましたが、失業期間が1年以上になると経済的だけでなく精神的にもしんどくなってくるでしょうから気をつけたいところです。