退職理由を「明確」にしていこう。
「こんな会社辞めてやる!」と辞めた場合には自分の都合で退職したことになります。
ブラック企業でさんざんな思いをさせられてきた立場としてみれば辞められるならどんな条件でもいい、
と思ってしまいがちですが、衝動的な行動に出る前にちょっと冷静になっていろいろと考えてみましょう。
職場の勤務環境や退職時の健康状態によってはこちらに有利な形で辞めることもできるのです。
退職するシチュエーションには大きく分けて二つのタイプがあります。自己都合と会社都合です。
この2つの退職理由によって失業保険を受け取れる状況が大きく異なってきます。
会社都合で退職のメリット
自分の都合で辞めた場合に比べて会社の都合で辞めた(辞めさせられた)場合は給付日数などで有利になるのです。
具体的には
自分の都合で辞めた場合の給付日数は90~150日
なのに対して、会社の都合で辞めた場合には90~330日、
最長なら1年近く給付を受けることができるのです。
さらに申請をしてから実際に給付金を受け取るまでの日数も自己都合だと116日後、つまり約4ヶ月ほどかかるのに対して会社都合なら32日後、約1ヵ月で済みます。
自己都合で辞めるのはもったいない
「自分の都合で辞めるのだから仕方がない」と思う方も多いかもしれませんが、
労働環境によっては
自分の都合だと思った退職理由がじつは会社の都合として認められることもあります。
ブラック企業の場合、劣悪な環境が原因で辞めることも多いだけにこのことを検討する余地は十分にあるでしょう。
わたしの場合、退職前にそのことをよく知らなかったこともあり、会社都合にすることができませんでした。
会社都合というと会社が経営破たんしたり、
リストラしなければならなくなった場合などがまずイメージされますが、
実際には劣悪な環境で退職して(追い込まれた)場合でも会社の都合として扱われることがあります。
わたしの場合は、
採用した当時の条件と実際の就業環境・条件に大きな差があったので
本当なら会社の都合にすることもできたのですが当時はそのことを知らずに辞めてしまいました。
ほかにも一度に大量の離職者が出るケースや賃金が85パーセント以上に低下した場合なども会社の都合での退職とみなされます。
病気や怪我、「うつ病」等の場合は傷病手当
また劣悪な環境で心身を害してしまった場合には傷病手当てを受け取ることも可能ですし、
特定受給資格者として認定されることもあります。
病気や負傷だけでなくうつ病など心の病も該当するので頭に入れておきましょう。
よくわからない場合はプロに相談してみる
自分の都合か、会社の都合かを判断するのはなかなか難しく、
まして会社側と交渉するとなると厄介なトラブルに見舞われかねません。
とりあえず、何か会社側に原因があって、退職を考えているならば、一人で悩まずに誰かに相談に乗ってもらいましょう。
では、誰に相談すれば良いのか?
退職に関しての相談は、「社労士」さんに相談するのが良いようです。
プロに相談というと、弁護士など裁判を起こして戦うようなイメージで敷居が高いと思ってしまいがちです。
社労士さんに相談すると、「あっせん」という方法で解決に導いてくれます。
あっせんとは、簡単に言うと
労働者と経営者の双方に話し合いをで解決を目指すというものになります。
相談の事例としては、
- サービス残業
- 年次有給休暇が取れない
- パワハラやセクハラ
- 不当解雇
以上のような職場トラブルであればまず「社労士」さんに相談してみると良いです。ちなみに、労働者本人からの相談だけでなく、ブラック企業で働くご主人をお持ちの方など周りの人からの相談にも乗ってくれるので、一人で悩まずに気軽に相談してみましょう。
最終的に、あまりにブラックな会社が相手の場合には
弁護士など法律のプロに相談して徹底的に戦う、
ということもあるかもしれませんが、意外と思っているよりも相談してみてよかった思えるケースは少なくないと思います。
泣き寝入りだけは、絶対に避けたいところです。