退職は円満に行うことが大前提です。いくらブラック企業だろうと、上司や同僚に嫌がらせを受けていようと最後は笑顔と感謝(少なくとも表面上は)で辞める。立つ鳥あとを濁さず、というわけです。もしトラブルを抱えた状態で辞めてしまうと後日裁判沙汰になったり、ズルズルと面倒を引きずって転職活動の妨げになってしまう恐れもあります。またビジネスの世界は広いようでいて狭い部分もありますから、トラブルを起こして辞めた悪評が広がって再就職の際にマイナス評価になってしまう、なんてことも考えられます。

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「仕事を辞めます」といって次の日から出社しないで済むというわけにはいかず、社会人として最低限やる事をやってから辞める必要があります。何をする必要があるのか、どこまでする必要があるのかがまず大事なポイントです。絶対に必要なのが引き継ぎです。これまで担当していた仕事が自分が辞めた後もスムーズに進められるよう次の担当者に引き継ぐのです。仕事の説明や書類の引渡しはもちろん、お得意先に引継ぎの挨拶まわりを行うのも必須です。これがうまくできないと社会人失格の烙印を押されてしまいかねません。なおわたしの場合はこの作業で1ヵ月近くかかりました。またこの引き継ぎに関しては次の担当者へのアドバイスも重要です。ブラック企業を辞める場合には次の担当者にどんな部分が大変なのか、どんな点に注意すればよいのかをできるだけ詳しくアドバイスしてあげましょう。もっとも職場の人間関係がよくない職場で、引き継ぐ同僚と仲良くない場合には必ずしも必要というわけではありませんが。

それから挨拶まわり。お得意先には引き継ぎと一緒に行って済ませることもできますが、とくにお世話になった人、企業には個人的に改めて挨拶に行きましょう。その職場で何度か配属が変わった場合には前の同僚や上司への挨拶も欠かせません。辞めた後もつきあっていきたい、人脈を確保したいという場合には連絡先の確保などもやっておきましょう。これが転職活動の際に大きな武器になることもあります。

後は基本的な部分、年金や税金のための年金手帳、源泉徴収票、健康保険や雇用保険にかかわる健康保険被保険者証資格喪失確認通知書、雇用保険離職票、雇用保険被保険者など。退職するシチュエーションによって必要になる書類が異なってくるので必ず確認したうえでそろえておくことが大事です。

こうしたポイントは前日までに行っておくのが大原則ですから、当日にはほとんどやることがないというのが理想的です。すぐに辞めたいという方も多いと思いますが、こうしたことを踏まえたうえでいつ辞めるのかを検討することも必要でしょう。

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