飛ぶ鳥あとを濁さず、終わりよければすべてよし。これが退職の大前提です。いくらブラック企業でさんざんな思いをしてネガティブな感情しか抱いていない場合でもそこは大人、社会人としてのマナーを踏まえたうえで職場をあとにすることが鉄則です。わたしも以前勤めていた職場は絵に描いたようなブラックで、「さっさと辞めたい、解放されたい」と願いながらの離職になりましたし、不満のひとつでも上司に並べ立てたい気分だったのですがグッとこらえて大人の対応に徹したものです。
では退職当日にはどう過ごせばいいのか?じつは当日にやることなんてほとんどありません。引き継ぎはとっくに終わっている…というか終わっていなければ問題ですし、最終日にバリバリと働く役割を任せられるなんてこともあります。ですから基本的には挨拶と片付けに終始することになります。だからこそ大人の対応、マナーが必要なんです。
まず出勤前に職場に配る粗品を用意しておきましょう。前日でもよいですが、食品の場合はできるだけ鮮度が高い状態で用意するのが原則です。そして出勤したらまず上司に挨拶。直属の上司だけでなくその上、あるいは前に配属していた部署の上司にも回っておきましょう。
仕事そのものはありませんが、最終確認をしっかり行います。引き継ぎをすでに済ませているわけですが、改めて次の担当者に確認し、情報と意思の伝達がしっかりできているかどうかを見ておきます。そのうえで自分がこれまで担当していた業務が問題なく行われているか、何か問題や行き違いが生じていないかをチェックしておきましょう。「もう辞めるんだから関係ないや」と思いたくなるところですが、やっぱりそこは一人前の社会人としてやるべきことはしっかりやりましょう。辞めた後にいろいろとトラブルが起こって「あいつのせいでとんだ迷惑をこうむった」などと元同僚たちに陰口をたたかれないようにしたいものです。
やるべきことをやったら荷物をまとめてデスクを片付けます。前日までにかなり片付けは行っているでしょうから、最後に残ったのを簡単に整理しましょう。自分で購入した備品を仲のよかった同僚にプレゼントするのもよいものです。そして最後にこれまで一緒に仕事をしていた同僚に挨拶して退社となります。人間関係に問題があった職場では複雑な気分になる部分もありますが、むしろ「これで終わりだ」という開放感からネガティブな感情はあまり浮かばないものです。
こうして会社を出れは終了。大きく伸びをする、ガッツポーズをする、自分なりに職場から開放された喜びを表現してみましょう。そのままささやかな乾杯、なんてのもよいですね。