退職をする際には、そのことをはっきりと会社側に伝えるために書面で提出する必要があります。その時に出すものとしては、退職届と退職願というのものがあります。二つは同じもののように見えますが、はっきりとした違いがありますので、理解した上で提出するようにしましょう。願いを出すという形は、あくまでその意志を伝えて、お願いをするということの表れです。そのため、場合によってはそれが受理されず退職を止められることもあります。また、願いを出した後に気持ちが変われば、退職の意志を撤回して仕事を続けることも可能になります。
一方で退職届の場合は、確実に退職しますということを伝えるためのものです。そのため、この届を出したら退職することが決定事項となります。届を出した後にやはり辞めたくないと思っても、基本としては撤回することができません。願いという形での提出よりかなり強い形ということになります。こうした理由から、退職しようと決めた状態で書類を出すのであれば、願いではなく届けという形で書類を出すべきと言えるでしょう。会社の方でも、この届を受け取ったらすぐに必要な処理を進めることになりますので、退職した後の業務を引き継ぐのも楽になりますよ。
この退職についての届けはできるだけ早い方が良いですね。仕事の引き継ぎもありますし、後任の人事を決める必要もあるからです。いろいろな事情があって会社を辞めることになるにしても、やはり礼儀としてこうしたマナーを守るのは大事です。特に進行中のプロジェクトに携わっているのであれば、しっかりとした形で引き継ぎができるように、関係者に伝えておくことも重要ですね。今までお世話になってきた人へのあいさつの意味も込めて、会社への書面提出だけでなく、周りの人にも早めに知らせることが肝心です。
また、同時に退職の時期をきちんと図ることも大事です。たとえば、多くの会社では入社してから3年以内に辞めると退職金が出ないという規定を持っています。急な事情で辞めるということではなく、退職金が支払われるタイミングまであとわずかであれば、その時点まで待つことができるでしょう。さらに、退職金は勤続年数によって金額が変わってくるものですが、10年や15年などの節目の年数で、金額アップの率が大きくなることもあります。そのようなタイミングを見計らって退職することにすれば、退職後の資金も十分に得られることになりますよ。